温泉街から目と鼻の先にあるのが、1903年に開業した歴史的木造駅舎、嘉例川駅だ。レトロな風情が漂うこの駅で絶対に見逃せないのが、全国の駅弁コンテストで何度も頂点に輝いた名物駅弁である。
地元の山の幸がぎっしりと詰まった重箱。竹の皮に包まれたご飯からは、かぐわしい香りが立ち上る。地元のおばあちゃんたちが真心を込めて仕込む椎茸や竹の子の煮物は、一口食べると出汁の深い旨味がじんわりと口いっぱいに広がる。
ここで明かす最新秘話がある。実はこの駅弁、生産数が極めて限られているため、週末には開店前から行列ができるほどプレミア化している。地元食材の調達と手作りの仕込みに妥協しない職人魂が、百年の歴史を超えて今なお旅人の舌を魅了し続けているのだ。