介護保険制度における要介護1 認定基準と具体例を紐解くと、要介護認定等基準時間(介護にかかる推計時間)が「25分以上32分未満」またはこれに相当する状態と定義されています。身の回りの基本的な動作(食事や排泄など)はある程度自力でこなせるものの、立ち上がりや歩行にふらつきが見られ、買い物・掃除・調理といった「手段的日常生活動作(IADL)」に一部介助や見守りが必要となる段階です。
現場で最も頻繁に議論となるのが要介護1 要支援2 違いです。両者は基準時間の上では同じ区分(25分以上32分未満)に該当するケースがありますが、認定調査では「心身の状態が維持・改善する見込みがあるか」という可逆性と、「認知機能の低下による意思決定や見守りの必要度」が決定的な分水嶺となります。
地域包括支援センターの主任ケアマネジャーは取材に対し、「身体機能が同程度であっても、同じ話を何度も繰り返す、通帳の管理ができなくなる、薬の飲み忘れが続くといった症状があると、生活環境の維持が困難とみなされ要介護1へ判定が移行する傾向が強い」と証言しています。