手数料問題に加えて利用者を悩ませているのが、「新500円玉(バイカラー・クラッド貨)」の預け入れ拒否問題です。自動機に硬貨を投入した際、何度入れ直してもガシャンと返却口に戻ってくる現象を経験した人は少なくありません。
使えない背景には、世界最高水準とも称される新500円玉の偽造防止技術があります。異なる2種類の金属板を挟み込む「バイカラー・クラッド構造」や、縁に刻まれた「異形斜めギザ」、微細文字など、極めて複雑な工法が採用されています。これらを判別するため、ATM内部のセンサーは投入された硬貨の「導電率」「磁気特性」「重量」「外径」をミリ単位・マイクロ秒単位で厳密に測定しています。
しかし、全国に展開する膨大な数のATM機器において、センサー基盤の改修やソフトウェア更新には莫大なコストがかかります。新紙幣発行に伴う機器更新と合わせて統廃合が進められたものの、地方の郵便局や簡易郵便局、あるいは旧型機が据え置かれた拠点では、読み取りエラーや未対応による返却が今なお発生しています。万が一ATMで弾かれた新500円玉は、無理に機械へ押し込まず、郵便局窓口で預け入れるか、損傷硬貨としての引き換えを依頼するのが最も安全な解決策です。