春の古馬王道路線において、ファンの間で最も議論を呼ぶのが「有力中長距離馬の天皇賞(春)回避」という選択です。2026年の春競馬でも、出走が取り沙汰されながらも最終的に回避を選択した陣営が存在します。その回避の理由には、現代競馬における明確な構造的背景があります。
関係者への取材や陣営コメントから浮き彫りになるのは、京都芝3200mという過酷なレースがもたらす反動のリスクです。かつてと異なり、現代の一線級サラブレッドは「春に大阪杯や香港・ドバイ遠征、初夏に宝塚記念、秋に天皇賞(秋)・ジャパンカップ・有馬記念」という柔軟な選択肢を持ちます。極限のスタミナを求められる芝3200mに出走した場合、次走の宝塚記念や秋の王道路線への立ち上げに影響を及ぼす懸念が少なくありません。
一方で、あえてこの過酷な舞台に挑む陣営は「純粋なステイヤー資質の証明」と「GIタイトルの確実な奪取」を明確に見据えています。日経賞や阪神大賞典からのローテーションを綿密に組み、間隔を十分に取って仕上げてきた馬こそが、淀の舞台で真価を発揮する構図となっています。