お腹周りの贅肉と一口に言っても、皮膚のすぐ下に蓄積する「皮下脂肪」と、腹腔内の腸間膜周辺に付着する「内臓脂肪」では、その性質が根本から異なります。指でつまむことができる柔らかいお肉は皮下脂肪ですが、お腹がパンパンに張り出して簡単につまめない場合は内臓脂肪が蓄積している典型的なサインです。皮下脂肪は外気温から体を守りエネルギーを長期保存する「定期預金」に例えられますが、内臓脂肪は血中へ脂肪酸が素早く溶け出す「普通預金」のような性質を持っています。
健康診断や家庭用体組成計で測定される内臓脂肪レベルの基準値は、一般的に「1〜9が標準」「10〜14がやや過剰」「15以上が過剰」と判定されます。ウエスト周囲径でいえば、男性で85cm以上、女性で90cm以上が特定保健指導の目安です。血中へダイレクトに遊離脂肪酸や悪玉ホルモン(アディポサイトカイン)を分泌するため、数値を放置すると高血圧や脂質異常症、動脈硬化のリスクを跳ね上げる要因になります。しかし裏を返せば、血管新生が豊富で代謝回転が速いため、正しい刺激を与えれば皮下脂肪よりも圧倒的に早く減り始めるのが内臓脂肪の最大の特徴です。