彼の原点は、母国ウクライナで培ったレスリングの経験にある。ダニロ・ヤヴフシシンという若者は、幼少期から体幹の強さと柔軟性を武器に頭角を現していた。しかし、故郷を襲った情勢の変化が彼の人生を激変させる。日本への渡航を決意した背景には、自身のアスリートとしての夢を追うだけでなく、家族や故郷への思いを土俵で表現したいという強い決意があった。
慣れない異国での生活、言葉の壁、そして相撲特有のしきたり。過酷な環境に置かれながらも、彼は愚痴ひとつこぼさず稽古に邁進した。レスリング仕込みの足腰の強さと、相手の重心を的確に見極める鋭い観察眼。それが日本の伝統国技と融合した時、これまでにない新しいスタイルの力士が誕生したのだ。