「セメント・モルタル・コンクリート」の強度を比較すると、圧縮強度(上から押しつぶす力に対する強さ)はコンクリートが圧倒的に優位です。粗骨材である砂利が内部でしっかりと噛み合うことで、建造物の巨大な荷重を受け止める骨格を形成できるためです。
一方、モルタルは砂利が入っていない分、コンクリートほどの耐荷重強度は出せません。しかし、粒子が細かくコテ伸びが良いため、平滑な面を作る仕上げ材や、レンガ・ブロックを積み上げる際の接着目地材として無類の扱いやすさを誇ります。
【住宅の基礎に見る役割分担】
住宅建築の現場を観察すると、この使い分けが明確に分かります。建物の重量を地面に伝える「基礎コンクリート」は強度が命であるためコンクリートで作られますが、型枠を外した直後のコンクリート表面には細かな凹凸や気泡の跡(あばた)が残ります。そこで、見た目を美しく整え、風雨や中性化から内部のコンクリートを守るために表面へ薄く塗られるのが「モルタル仕上げ(化粧モルタル)」です。
【外壁モルタルの耐用年数とメンテナンス】
住宅の外壁材としても普及しているモルタル外壁は、継ぎ目のないシームレスで重厚感のある質感が魅力です。外壁モルタルの耐用年数はおよそ30年以上と高寿命ですが、モルタル自体に防水性能はありません。表面の防水塗膜が劣化すると雨水を吸水してひび割れを招くため、8〜10年ごとの再塗装メンテナンスが建物の寿命を維持する必須条件となります。