山本氏の報道活動を支えた根幹には、独立系報道機関「ジャパンプレス」の揺るぎない理念があった。巨大メディアの枠組みにとらわれず、現場の空気感をそのまま届ける手法。彼女の取材姿勢は国内外で高く評価され、日本記者クラブ賞特別賞をはじめ数々の賞を受賞している。
彼女がカメラを向けたのは、兵器の性能や軍事戦略ではない。空爆の恐怖に怯える子供たちの目、家を失った母親の手、崩壊した街並みに立ち尽くす老人の姿だ。戦争の真の被害者は誰なのかを問い続ける愚直なまでの眼差しが、彼女のドキュメンタリー作品の一つひとつに宿っていた。