歩合給の支給額は、企業ごとに設定された計算式によって算出されます。主に以下の2パターンが主流です。
1. 定率型(売上高 × 一定の歩合率):売上1,000万円に対し歩合率3%の場合、歩合給は30万円。
2. 累進・スライド型(売上規模に応じて料率が上昇):売上500万円までは2%、500万円を超えた部分は5%など、成果が伸びるほど還元率が跳ね上がる設計。
多くの労働者が誤解しているのが「歩合制社員の残業代(時間外割増賃金)」の計算です。「歩合給の中に残業代が含まれているから残業代は出ない」と説明する企業がありますが、これは労働法上明らかな誤りです。歩合給制であっても、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて働いた分については割増賃金を支払う義務があります。
さらに注目すべきは、歩合給部分の残業代割増率は「0.25倍」で計算されるという特殊ルールです。固定給の残業代は「(基本給 ÷ 月平均所定労働時間)× 1.25 × 残業時間」で計算しますが、歩合給部分は「その月の総労働時間すべてを使って稼ぎ出した成果」とみなされるため、すでに1.0倍分の賃金が含まれていると解釈されます。そのため、計算式は以下のようになります。
歩合給部分の残業代 =(当月の歩合給総額 ÷ 当月の総実労働時間)× 0.25 × 法定時間外労働時間
固定給部分には通常の1.25倍の計算が適用され、歩合給部分には0.25倍の計算が適用された合算額が、正当な時間外手当として支給される仕組みです。