大規模な運航乱れが発生した際、空港の現場やSNS上ではどのような事象が起きているのか。過去の台風襲来時やシステムトラブル時の事例を検証すると、利用者が直面するリアルな葛藤と教訓が浮かび上がってきます。
オンラインコミュニティや知恵袋、SNSの投稿を分析すると、最も多く見られるのが「カウンターに並んでいる間に希望の後続便が満席になってしまった」という嘆きの声です。福岡空港や那覇空港で一斉欠航が発生した際、数百人規模の乗客が数基しかない空港カウンターに殺到します。しかし、現場のスタッフが1組ずつ手続きを行うスピードよりも、スマートフォンを駆使してWebサイトから即座に翌日の臨時便や空席を抑えた乗客の方が、圧倒的に早く次の移動手段を確保できているのが近年の実態です。
また、羽田空港から深夜の福岡便に搭乗した利用者の手記には、次のような緊迫した現場の証言が残されています。
「羽田の出発が機材整備で40分遅れ、機長から『福岡空港の門限22時ギリギリのフライトになります。上空でスピードを上げますが、万一間に合わない場合は北九州空港へ着陸するか羽田へ引き返します』とのアナウンスが入った。機内には異様な緊張感が漂い、福岡の街並みが見えた瞬間、時計は21時57分。滑走路にタイヤが着いた瞬間に安堵のため息が漏れた」
このような極限のフライト運用が行われる背景には、利用者をなんとか目的地へ届けたいという運航クルーの執念がある一方、航空管制や気象条件という抗えない壁が存在します。現場のリアルを知る利用者は、遅延リスクが高い夕方以降の便を避け、午前中の早い便へあらかじめ前倒し変更する自衛策を講じています。