カフェインは適量であれば覚醒作用をもたらしますが、閾値を超えた瞬間から牙を剥きます。救急現場で確認されるカフェイン中毒症状は、血中濃度の急激な上昇に伴って段階的に悪化します。
初期症状として現れるのは、手指の小刻みな震え、頻脈、激しい動悸、吐き気、そして理由のない焦燥感や不安です。重症化すると、深刻な不整脈や低カリウム血症、激しい痙攣(けいれん)を引き起こし、意識混濁へと至ります。日本中毒学会の調査報告でも、市販のカフェイン製剤や清涼飲料水の乱用による救急搬送件数は高止まりを続けており、決して他人事のトラブルではありません。
医学的に見積もられているカフェイン致死量は、短時間での純粋摂取量として約5,000mg〜10,000mg(5g〜10g)とされています。これは一般的なコーヒーに換算すると40〜50杯分に相当するため、液体コーヒーの通常飲用だけで即死レベルに達することは物理的に困難です。しかし、カフェイン粉末や高濃度錠剤、複数の高用量エナジードリンクを短時間の徹夜作業で併用した結果、心停止に陥った痛ましい死亡事故が国内でも報道されています。手軽に入手できるからこその危機管理が求められます。