恵庭温泉ラフォーレの現在と閉店理由|跡地の最新動向と名湯の記憶

恵庭温泉ラフォーレの現在と閉店理由|跡地の最新動向と名湯の記憶

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天然温泉ラフォーレがこれほどまでに愛され、今なお語り継がれる理由は、北海道遺産にも指定されている極めて良質な「植物性モール温泉」を圧倒的な高濃度で提供していた点にあります。石狩平野の地下深く、太古の植物層を通過して湧出する源泉は、濃い黒褐色(アメ色)を呈し、微かなアブラ臭と芳しい有機物特有の香りを放っていました。

温泉分析書が示す通り、泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)。天然の保湿成分である「フミン酸」や「フルボ酸」が豊富に含まれており、湯上がりの肌がシルクのようになめらかになる「美肌の湯」として絶賛されていました。加水や循環を極力抑えた浴槽環境は、温泉通の間で「道央圏屈指の鮮度」と評価されていたほどです。

さらに、利用者の心を掴んでいたのが独立した離れ形式の「家族風呂」でした。1時間あたり1,500円〜2,000円前後という極めて良心的な料金設定で、気兼ねなく濃密なモール温泉を完全貸切で堪能できたため、小さな子ども連れのファミリー層や湯治目的の高齢者から絶大な支持を集めていました。この「公衆浴場価格の本館」と「格安の家族風呂」という二枚看板が、ラフォーレを名湯たらしめていた決定的な要因です。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。