「明日の地震」を信じ込ませる材料として頻繁に使われるのが、地震前兆とされる宏観異常現象です。「不気味な形の地震雲を見た」「カラスが一斉に騒いでいた」「深海魚が打ち上げられた」といった報告がSNSに写真付きで投稿されると、信憑性があるかのように感じてしまいます。
しかし、気象学や地球科学の観点において、雲の形状は大気の温度や風速、湿度によって形成されるものであり、地下の断層活動との因果関係は証明されていません。深海魚の漂着や動物の行動変化についても、海洋環境の変動や季節要因によるものが大半であり、統計的な相関は認められていないのが実情です。
偶然地震の直前に珍しい現象を目撃すると、人間の脳は後から「あれが前兆だった」と強く結びつけて記憶しがちです。この認知バイアスが、ネット上で宏観異常現象の噂が定着しやすい大きな要因となっています。