地学的な根拠が乏しいにもかかわらず、なぜこれほど多くの人々が動画を信じてしまったのでしょうか。そこには、「カナダ=大地震の可能性がある国」という断片的な知識の誤認が関わっています。
実際問題として、カナダ全土が地震と無縁なわけではありません。太平洋に面した西海岸地域(ブリティッシュコロンビア州バンクーバーやビクトリア周辺)は「カスケード沈み込み帯」と呼ばれるプレート沈み込み帯の直上に位置しており、近い将来にM9クラスの超巨大地震(メガクエイク)が発生することが科学的に強く懸念されています。
ネット上では「カナダで大地震が起きる可能性は以前から指摘されていた」「ついに大地震が現実になってしまったのか」といった声が散見され、西海岸のリスク情報と東海岸トロントのシンボルタワーの存在が頭の中で混同されてしまったことが、デマの信憑性を補強する皮肉な土壌となってしまいました。