どれほどピルを調整してもイライラや自己否定感、激しい抑うつが収まらない場合、診断そのものの見直しが必要かもしれない。月経前症候群(PMS)の枠組みを超えた、より重度な精神症状を主とする「月経前不快気分障害(PMDD)」の可能性だ。
PMDDは、排卵後のホルモン急変動に対して脳内の神経伝達物質(特にセロトニン)が過剰に反応することで引き起こされる。単なるホルモン量のコントロールだけでは脳内のセロトニン代謝異常をカバーしきれないケースが多く、低用量ピル単体での治療には自ずと限界が生じる。
臨床の現場では、PMDDに対してピルではなく、あるいはピルと併用する形でSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の少用量投与を行う治療法が標準化されつつある。自分の苦痛が精神疾患寄りの反応である可能性を視野に入れることが、出口を見つける第一歩となる。