医学の世界において、過度な指の皮むきは単なる癖の枠組みを超え、精神医学の診断基準(DSM-5)に収載されている「皮膚むしり症(Excoriation Disorder)」と診断される場合があります。これは強迫症(強迫性障害)の関連症群に分類される疾患です。
自分自身を傷つける行為という点から「自傷行為(リストカット等)」と混同されることもありますが、両者の心理的意図には明確な違いがあります。自傷行為が精神的苦痛の発散や自己処罰を主な目的とするのに対し、皮膚むしり症は「皮膚の凹凸を平らに整えたい」「不要な皮を取り除きたい」という感覚的な衝動や、無意識の緊張緩和が主な動機です。痛めつけること自体が目的ではないにもかかわらず、結果として皮膚組織を大きく損傷してしまうのがこの病気の特徴です。
日常的に出血を繰り返す、指先を人に見せるのが恥ずかしくて対人関係に支障が出ている、あるいは「やめたい」と強く願いながらもコントロール不能な場合は、個人の性格の問題ではなく医学的ケアが必要な状態といえます。