ドラマ『凪のお暇』の最終回において、最大の焦点となったのは「凪が最後に誰と結ばれるのか」という恋の行方でした。視聴者の間では、素直になれずに陰で号泣し続けた元カレ・我聞慎二(高橋一生)と復縁する「慎二エンド」か、凪との出会いで初めて本気の恋を知った隣人・安良城ゴン(中村倫也)と結ばれる「ゴンエンド」かで激しい議論が交わされていました。
しかし、最終話で描かれた大島凪の選択は、そのどちらでもありませんでした。ゴンからの告白には「ゴンさんと一緒にいたら絶対に流されてしまう。自分を好きでいるために、一人で立ちたい」と感謝を伝えつつ断りを入れ、慎二との最後のデート(水族館)では「慎二のことが好きだった。でも、もう戻れない」とお互いの成長を認め合って笑顔で決別します。そして、アパートの取り壊しとともに「お暇(おいとま)」期間を終え、新しい一歩を踏み出す姿で物語は幕を閉じました。
制作陣がこの結末を描いた根底には、本作の主題が「誰かに救ってもらうシンデレラストーリー」ではなく、「自分で自分の人生のハンドルを握り直すプロセス」であったという明確なメッセージ性があります。男性キャラクターの魅力が際立っていたからこそ、恋愛の決着を期待した層からは「すっきりしない」「納得がいかない」という感情が引き起こされる結果となりました。