現場を取材すると、メディアで華々しく報じられる人気店の実態と、観光客が直面するシビアな混雑状況が浮き彫りになります。
筆頭格であるレストラン寿楽ハンバーグ混雑状況について、近年の現場観測データを検証してみましょう。観光シーズンや祝日における同店の店頭発券機前には、午前10時30分の受付開始と同時に人だかりが形成されます。正午を迎える頃には30組から50組待ち(実質120分〜180分待ち)に達することも珍しくありません。店頭の待合スペースには収まりきらず、車中待機や近隣散策を余儀なくされる旅行者が多数見受けられます。
実食したユーザーの手記や直接の証言には、その過酷さと引き換えの満足感が克明に刻まれています。
「2時間半待ってようやくテーブルに運ばれてきたハンバーグに箸を入れた瞬間、肉汁の海が広がった。脂のしつこさが一切なく、待った疲れが一瞬で吹き飛んだのは事実。ただ、小さな子供連れでこの待ち時間を耐えるのは正直厳しかった」(都内から訪れた30代ファミリーの手記より)
こうした状況のなか、現地を熟知したリピーターが舵を切っているのが、那須塩原ハンバーグ隠れ家名店が点在する黒磯・西那須野エリアです。新幹線が停まるJR那須塩原駅から車で10〜15分ほど南西へ進んだ西那須野エリアや、アートとカフェの街として独自の進化を遂げた黒磯駅周辺は、観光客の動線から適度に外れています。
西那須野の洋食店では、地元契約農家から仕入れた新鮮な根菜とともに、丁寧に手ごねされた和牛ハンバーグが静かなジャズの流れる店内で供されます。また黒磯のカフェ建築群では、大谷石の重厚な壁に囲まれた趣ある空間で、酸味とコクの調和が取れたデミグラスソース仕立てのハンバーグをゆったりと味わえます。「行列に体力を奪われることなく、静かに地域のテロワールを感じたい」という層にとって、これらの市街地エリアこそが実利的なオアシスとして機能しています。