暖簾をくぐった多くの来店客が息をのむのが、名物肉ごぼう天うどんの圧倒的な造形美です。どんぶりの直径を優に超え、まるで幾重にも重なる大輪の花、あるいはUFOのように丼の上に君臨するごぼう天は、他店の追随を許さない圧倒的なスケールを誇ります。
このごぼう天は、単に大きなかき揚げを乗せているわけではありません。極薄にスライスされたごぼうを衣にくぐらせ、職人が中華鍋のような深鍋の中で菜箸を巧みに操りながら、円盤状に素早く成形していきます。高温の油の中で一気に水分を飛ばすため、口に含んだ瞬間の食感はどこまでも軽やかで、香ばしい大地の香りが鼻腔を抜けます。最初はサクサクとしたスナックのような軽快さを楽しみ、徐々に出汁を吸わせてトロリとした衣の変化を味わうのが、本店通の間で親しまれている食べ方です。
そして、天ぷらの下から姿を現す麺こそが、豊前裏打会の真骨頂です。一般的な博多うどんの白く太いやわ麺とは異なり、わずかに黄色みを帯びた半透明の細麺がたたえられています。厳選された小麦粉を季節や気温に応じて徹底的に温度管理し、数日間にわたる熟成を経て作られるこの麺は、シルクのような滑らかな喉越しと、押し返すような独特の弾力(グミ感)を併せ持ちます。「切り立て、茹で立て、揚げ立て」の徹底した三拍子が揃って初めて完成する奇跡の食感といえます。