いま、甲府の街を歩くと飲食のトレンドが確実にシフトしていることを肌で感じる。特に目立つのが、手頃さと本格的なクオリティを両立させた「ファストカジュアル」業態の台頭だ。甲府駅南口から平和通りを抜け、少し入ったノスタルジックな裏路地。かつての古い商家や町家をリノベーションした開放的な空間に、若者からビジネスパーソン、さらには家族連れまでが吸い寄せられるように集まってくる。
注文が入ってからバンズをトーストし、目の前で肉を焼き上げるライブ感。ファストフードの手軽さがありながら、提供される料理は一流レストランのメインディッシュに匹敵する完成度を誇る。短時間で胃袋を満たすためだけの食事ではなく、空間の居心地や調理プロセスのワクワク感ごと楽しむライフスタイルが、甲府の日常に深く根付き始めている。