ジークの思想の根底には、幼少期の壮絶なトラウマが存在する。エルディア復権派の指導者であった父グリシャと母ダイナから、民族の悲願を託される「道具」として育てられた記憶だ。親からの無償の愛を知らずに育った少年が、唯一心の拠り所としたのが、先代「獣の巨人」であるトム・クサヴァーとの出会いだった。
父親の課す過酷な訓練ではなく、クサヴァーと交わす何気ないキャッチボール。それだけがジークにとっての「肯定された時間」だった。しかし、その恩師との絆さえも、「エルディア人の消滅」という暗い悲願へと昇華されてしまった事実はあまりにも切ない。