甲子園のマウンドには魔物が棲むと言われる。だが、今年の沖縄尚学のエース久高にとって、その緊張感すら自らのパフォーマンスを昇華させる最高の燃料に過ぎないようだ。冬場の過酷なトレーニングを経て、一回り大きくなった体幹から繰り出される球威は、昨秋とは明らかに別次元の領域に達している。
チームを率いる名将のもとで徹底的に磨かれたのは、単なる球速の数字ではない。打者の手元で急激に伸びるストレートと、カウントを取る変化球の精度。実戦形式の投げ込みを重ねる中で培ったコンビネーションは、対戦相手の分析データをあっさりと覆してみせた。