女王の激動の人生を語る上で欠かせないのが、夫であるエジンバラ公フィリップ殿下の存在です。二人は1939年、ダートマス海軍兵学校を訪問した当時13歳のエリザベス王女と、18歳のフィリップ候補生として出会い、文通を通じて愛を育みました。1947年11月20日に結婚し、2021年4月にフィリップ殿下が99歳で逝去するまで、73年間におよぶ夫婦生活を共に歩みました。
公の場では常に女王の一歩後ろを歩いたフィリップ殿下ですが、家庭内では一家の大黒柱として女王を精神的に支え続けました。1997年の金婚式(結婚50周年)のスピーチで、女王は夫への深い感謝を次のように語っています。
「彼はただただ、私の力であり、支えであり続けてくれました」
その長い歩みは平坦な道ばかりではありませんでした。1992年にはチャールズ皇太子夫妻をはじめとする子どもたちの離婚問題やウィンザー城の火災が重なり、女王自ら「ひどい年(アナス・ホリビリス)」と表現するほどの苦難に直面。さらに1997年のダイアナ元妃の事故死では、王室に対する国民の激しい批判を浴びました。しかし、フィリップ殿下と共に世論の声に真摯に向き合い、開かれた王室への改革を推進したことで、再び国民からの絶大な信頼を取り戻していったのです。