運動のシンボルとして語り継がれる少女、柳寛順。彼女が故郷の天安・並川市場で狼煙を上げ、民衆を率いた時の年齢はわずか16歳だった。両親を眼前で失い、自らも身柄を拘束された彼女の足跡は、あまりにも苛烈を極める。
西大門刑務所に収監された後も、柳寛順は地下の独房で抗議の声を上げ続けた。過酷な取調を行った朝鮮総督府側の記録にも、彼女の屈しない姿勢と厳しい取り調べの様子が刻まれている。しかし、彼女の心中にあったのは怒りだけではない。激しい恐怖や孤独と闘いながら、自らの信念を貫こうとした一人の少女としての苦悩が、近年の史料からも伺える。