2000年代に入ると、彼女の存在感はスクリーンの大画面でさらなる輝きを放つ。映画『かもめ食堂』や『めがね』といった作品群は、それまでの日本映画界になかった「余白を楽しむ」という新しい鑑賞体験を提示した。
ヘルシンキの街角を舞台にした『かもめ食堂』では、小林聡美演じる主人公の店にふらりとやってくる訳ありの女性・サチコを熱演。言葉少なにワタアメを食べるシーンや、ワケありの過去を感じさせつつもどこか飄々とした佇まいは、観客の心に深い余韻を残した。こうした一連の作品はスローライフ映画という新ジャンルを確立し、邦画の多様性に多大な貢献を果たしている。