この潮流を決定づけた不朽の名作といえば、マイク・ミルズ監督によるヒューマンドラマ『カモン カモン』だろう。主演のホアキン・フェニックスが演じたラジオジャーナリストのジョニーは、数日間9歳の甥っ子の面倒を見ることになり、戸惑いながらも対話を通じて互いの世界を広げていく。
親のような圧倒的権威ではなく、かといって他人でもない。子どもの突拍子もない質問に正面から向き合う一人の大人としての姿は、世界中の観客に深い共感を呼んだ。スクリーンに映し出されたのは、完璧ではない大人が子どもから学び、共に成長する繊細なドラマだった。