かつて「努力すれば報われる」と信じられていた時代があった。しかし、いまの台北でその言葉を信じる若者は皆無に近い。台北市における住宅価格所得倍率はすでに15〜20倍前後の高水準で推移しており、世界でも屈指の「家が買えない街」となっている。
普通の企業に勤める会社員の月給が4万〜5万新台湾ドル(約19万〜24万円)程度にとどまる一方、築数十年の中古マンションですら数千万円相当の価格で取引される。手取りの半分以上が家賃に消えていく構造のなかで、「将来のために貯金する」という概念そのものが形骸化してしまった。