ユニフォームを脱いだ後の人生こそ、プロアスリート夫婦にとっての真の試練と言える。辻内氏は引退後、一般企業での勤務を経て、女子プロ野球チーム「埼玉アストライア」のコーチや監督を歴任した。野球しか知らなかった男が未知のビジネス世界や指導現場へ飛び込む戸惑いを、妻は常に陰から支え続けた。
生活リズムの激変、慣れない業務、指導者としての苦悩。環境がめまぐるしく変わる中でも、彼女は家計をしっかりとやりくりし、夫が次の情熱を傾けられる環境を整えた。元ドラフト1位のプライドを捨て、社会人として、また指導者として力強く立ち直っていく夫の背中には、妻の知恵と忍耐が不可欠だった。