ステューシーがアウトレット展開を取りやめた背景には、世界的なリポジショニング戦略があります。2010年代後半以降、ブランドは過剰供給によるイメージの低廉化を防ぐため、流通コントロールの大胆な刷新に踏み切りました。
象徴的だったのが、全国各地に点在していたステューシー直営店チャプト(STUSSY CHAPTER)の再編です。地方都市の小規模店舗を整理統合し、旗艦店である原宿、渋谷、代官山、大阪などの大型チャプトや、DOVER STREET MARKET GINZAといった高感度セレクトへの集中投資へと舵を切りました。在庫処分を目的とした安売りを廃止し、供給量を絞ることでプレミアム感を再獲得する狙いがあります。
この戦略転換により、二次流通市場でのプレ値形成や若年層・インバウンド需要の再燃に成功。現在では「定価でも即完売するプロダクト」としての立ち位置を確立しており、商業施設側から誘致があってもアウトレットへ出店する必要性がビジネス構造上なくなっています。