バラライカと主人公・ロック(岡島緑郎)の関係性は、物語の進展とともに大きく変容していきました。当初は無害な運び屋の新人サラリーマンとして見下していたバラライカですが、物語の転換点となった「日本編(鷲峰組抗争)」において、互いの本質をむき出しにした衝突を経験します。
平和な日常の論理で抗争を止めようとしたロックに対し、彼女は冷酷に銃口を突きつけ、「薄皮一枚の日常に守られてきた小僧」と断罪しました。しかし、この修羅場を経てロックがロアナプラの「悪党」としての知略に覚醒して以降、彼女はロックを危険な策士として一目置くようになります。
「ロベルタ復讐編(El Baile de la muerte)」では、米軍特殊部隊を巻き込む壮大な盤面において、ロックの描くチェスの駒としてホテル・モスクワの武力を貸し出すなど、単なる敵味方を超えた冷徹なビジネスパートナーとしての信頼関係を構築しています。甘さを捨てたロックの知性を楽しむかのような彼女の不敵な笑みは、作品の大きな見どころです。