日本の歩行者天国の発祥は、高度経済成長期の1970年(昭和45年)8月2日に遡ります。モータリゼーションの急激な進展に伴い、交通事故の激増(交通戦争)や自動車排出ガスによる深刻な大気汚染が社会問題化していた時代でした。
当時の東京都知事と警視総監の主導により、東京都内の4大拠点(銀座・新宿・池袋・浅草)において、日本初の大規模な歩行者天国が一斉に実施されました。初日だけで銀座の中央通りには約23万人、4地区合計で100万人を超える市民が押し寄せ、車から解放された道路を満喫したと記録されています。
銀座通りに設置された白いパラソルとテーブル席は、まさに都市の豊かさと市民生活のゆとりを象徴するアイコンとなりました。単なる交通対策として始まった試みは、半世紀以上の年月を経て、都市の魅力を発信する重要な文化基盤へと昇華しています。