痛みのあまりパニックになり、自己流の誤った対処をして激痛を爆発させてしまうケースが後を絶ちません。深夜の歯痛において絶対にやってはいけないことを厳しく戒める必要があります。
NG行動①:長風呂・熱いシャワー・サウナ
「体を温めれば血行が良くなって治るのではないか」という思い込みは致命的です。体温の上昇と全身の血流促進は、前述した歯髄腔の内圧を狂気的な勢いで押し上げます。入浴後に痛みが数倍に跳ね上がり、脂汗を流して救急外来を探す羽目になる典型パターンです。深夜の入浴は絶対に避け、どうしても汗を流したい場合でもぬるめのシャワーを短時間浴びる程度にとどめてください。
NG行動②:アルコール(飲酒)による麻痺狙い
「お酒を飲んで酔っ払って寝てしまおう」と考えるのは最悪の選択肢です。アルコールが一時的に中枢神経を麻痺させるのは極めて短い時間だけであり、その後訪れる強力な血管拡張作用によって、数十分後には以前よりも遥かに凄まじい激痛となって襲いかかります。さらに、市販鎮痛剤とアルコールの併用は、重篤な胃粘膜出血や肝機能障害を引き起こす極めて危険な行為です。
NG行動③:患部を指、舌、爪楊枝で執拗にいじる
ズキズキと痛む箇所が気になり、指で触ったり、爪楊枝を穴に差し込んでつついたりする行為は傷口に毒を注ぐようなものです。手指や爪楊枝に付着した雑菌が入り込んで二次感染を引き起こすだけでなく、物理的な刺激によって限界を迎えている歯髄や歯周組織を決定的に破壊します。
NG行動④:痛み止めの過剰摂取・チャンポン飲み
ロキソニンが効かないからといって、1時間後にバファリンを追加したり、一度に2〜3錠をまとめて飲むようなオーバードーズは絶対に厳禁です。鎮痛効果が倍増することはなく、急性胃潰瘍や薬物性肝障害、腎機能障害など命に関わる重大な副作用を引き起こします。用法用量に記載された服薬間隔(最低4時間以上)は厳守しなければなりません。