日本マクドナルドの経営から退いた後、原田氏が次に舵取りを任されたのは、教育・出版大手であるベネッセホールディングスだった。しかし、就任直後に発覚した過去最大規模の顧客個人情報流出事件が彼を襲う。危機管理の面で後手に回った対応は後悔を残し、かつてのような劇的な再建劇を果たせないまま、わずか2年余りで退任を余儀なくされた。
「どんな業界でも数字を弾き出し、構造改革をやり遂げる」と信じられていたプロ経営者像。その全能感が音を立てて崩れ去った瞬間だった。企業の歴史や顧客との情緒的な信頼関係を置き去りにした数値至上主義は、時に組織の土台そのものを破壊しかねない。日本企業が抱いた外部招聘型リーダーへの過剰な期待は、ここで冷や水を浴びせられることとなった。