スクリーンに現れただけでその場の空気を一変させる異彩を放つのが、阿部寛だ。映画『テルマエ・ロマエ』シリーズで見せた圧倒的なコメディセンスと古代ローマ人を演じきる肉体美は、日本映画界の金字塔として記憶に新しい。さらに近年社会現象を巻き起こした超大型ドラマ『VIVANT』での緻密かつ重厚な演技は、国内のみならず海外の視聴者をも唸らせた。
映画業界における彼の評価は、単に「スタイリッシュな二枚目」にとどまらない。役に没入するために自らのフィジカルを極限まで追い込み、過酷なロケでも妥協を許さない。そのプロフェッショナル精神が、作品全体のクオリティを引き上げている。長年培われた圧倒的な存在感は、年齢を重ねるごとに渋みを増し、作品になくてはならない重厚な骨組みを作り出しているのだ。