施工性の良さを最大限に発揮するためには、現場条件に適した軽量鋼矢板打設方法の選定が欠かせません。一般的には、油圧ショベルのアタッチメントとして装着する振動式のバイブロハンマ工法が広く採用されています。
小型バックホウ(0.25〜0.45m³クラス)に可変高周波型バイブロを装着すれば、上空に架空線がある狭小地でもスムーズな打設が可能です。打撃による杭頭部の破損を防ぎ、静粛性を確保しながら圧入・振動推進を行えるため、近隣住民への騒音・振動対策としても大きなアドバンテージを発揮します。
土木工事積算基準における施工歩掛を参照すると、軽量鋼矢板の施工単価は普通鋼矢板と比べて機械損料および労務費が低く設定されています。矢板1枚あたりの重量が軽いため、玉掛け作業や建込作業のサイクルタイムが短縮され、日当たり施工本数が伸びることが歩掛上の強みとなっています。
ただし、N値が15を超えるような締まった砂礫層や玉石混じりの地盤では、矢板先端が座屈(座屈変形)を起こし、所定の深度まで貫入できない事態が頻発します。無理な打ち込みは継手破損の原因となるため、ウォータージェット併用や先行削孔工法の採用を早期に検討する柔軟性が求められます。