ネット上の掲示板やSNSでは、パリ五輪以降「主軸の引退によって代表の統率力が失われた」「監督と若手有望株の間に戦術理解をめぐる確執があるのではないか」といった根拠のない憶測が散見されます。特に古賀紗理那という圧倒的カリスマがコートを去った直後には、ファンコミュニティでチーム崩壊を危惧する声が一時的に噴出しました。
だが、現場関係者の証言や公開練習での様子を取材すると、実態はネット上のネガティブな噂とは真逆であることが分かります。練習拠点である味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)での空気感は、重苦しさとは無縁の「ポジティブな発信」に満ちています。石川真佑主将は従来のトップダウン型リーダーシップではなく、コート内の全員が戦術意見を即座にぶつけ合うフラットな対話を導入。海外クラブで培った「互いのプレーを論理的に言語化する習慣」を火の鳥NIPPONの文化として定着させつつあります。
「ベテランの固定化による停滞」を打破し、実力至上主義で若手にチャンスを与えるオープンな環境が生まれたことで、これまでベンチを温める機会が多かった有望株が急速に成長。ネットで囁かれた「不協和音」の正体は、古き良き精神論から脱却し、プロフェッショナルな自立した組織へと生まれ変わる過程で生じた過渡期の摩擦に過ぎません。