ボーカリストでありコンポーザーでもある藤原聡の詞作における真骨頂は、言葉の「響き」と「意味」の高度な融合にある。日本語の母音と子音の配置、メロディのアップダウンに対するフレーズの乗せ方が異常なほど計算し尽くされているのだ。
例えば、「ロマンスの神様」のような象徴的なフレーズから、日常的で泥臭い心情描写への接続。ドラマチックなストリングスアレンジと相まって、聴き手はまるで一本の映画を鑑賞しているかのような錯覚に陥る。言葉の一つひとつが視覚的なイメージを喚起し、聴き手の脳内に鮮明な情景を描き出すパワーを持っている。