沿線には、力走するSLの雄姿をフレームに収めようと全国から鉄道写真愛好家が集まります。地元住民の温かい歓迎と自然美が融合する山口線の撮影地スポットには、数々の名所が存在します。
代表的な撮影ポイントとして外せないのが、仁保駅から篠目駅へと向かう「仁保の峠越え(25パーミル勾配区間)」です。急勾配を登りきるため、機関車が真っ黒な煙と白い蒸気を空高く吹き上げる大迫力のシーンが撮影できます。また、レンガ造りの給水塔が美しい「篠目駅発車」や、清流と鉄橋のコントラストが映える「長門峡(ちょうもんきょう)の鉄橋」、見事なインカーブを描く「徳佐のS字カーブ」なども定番の名所として知られています。
実際に現地を訪れた乗車ファンの生の声からも、この列車の唯一無二の価値が浮き彫りになります。
「トンネルに入る直前に車内放送で『窓を閉めてください』とアナウンスが入るのも昔ながらの汽車旅の醍醐味。冷房が効いた現代の車両にいながら、時折ふわりと漂う石炭の香りにノスタルジーを感じる」(40代・家族連れ)
「沿線の畑仕事をしている方や子どもたちが、列車に向かって満面の笑顔で手を振ってくれる。単なる乗り物ではなく、地域全体に愛されている文化そのものに乗っている実感がある」(50代・一人旅)