伝統的な美術教育の枠組みを超え、現代産業とダイレクトに結びついているのが「インダストリアルデザイン」の現場だ。工芸工業デザイン学科を中心に展開されるこの分野では、家具や家電といった日常生活のツールから、次世代モビリティや持続可能な新素材の研究に至るまで、極めて実践的なアプローチが取られている。
工房からは、クレイモデルを削る乾いた音や、3Dプリンターが稼働する機械音が絶え間なく響く。単にスタイリッシュな造形を追求するのではなく、人間の生活様式や地球環境との調和を問う鋭い視点が貫かれている。企業の開発部門との共同プロジェクトも盛んであり、学生たちの提案がそのまま社会に実装されるケースも珍しくない。社会の課題をモノを通じて解決する思考の筋力は、ここで培われている。