開発を手掛けたのは、欧州の星付きレストランやダブリンの名門ベーカリーで研鑽を積んだブーランジェ、佐藤健一氏。彼がアイルランドのケリー州を訪れた際、伝統的なグラスフェッドバターと自然発酵種の深い味わいに衝撃を受けたことがすべての始まりだった。
帰国後、佐藤氏は日本の気候と水質に合わせた再構築に着手した。北海道産の希少なキタノカオリと、アイルランド原産の野生酵母を交配。試作回数は2000回を超えた。「最初は誰もが失敗すると言った。水分の多い生地は熱を通すのが極めて難しいからだ」と佐藤氏は振り返る。特注の石窯と熱伝導率を極限まで高めた独自銅型を採用することで、外側はパリッと香ばしく、内側は水分を閉じ込めた極上の焼き上げに到達した。