ハーフタレントを取り巻く言説には、長年信じ込まれてきた数多くの誤解が存在します。ネットメディアの扇情的な見出しや断片的な情報によって拡散された思い込みを、事実に基づいて是正します。
最も根深い誤解が、「ハーフだから無条件で芸能界のオーディションで優遇される」という特権視です。しかし、複数の芸能プロダクション育成担当者の証言によれば、現実はむしろ逆です。ドラマや映画のキャスティングにおいて、純日本人的な役柄設定が多い日本の映像作品では、「顔立ちがはっきりしすぎていて時代劇や地方の庶民役のオーディションで落とされる」という構造的なハンディキャップを長年背負ってきました。
池田エライザや中条あやみといった現在の大スターたちも、キャリア初期には「学園モノのクラスメイト役に馴染まない」「リアリティが出にくい」という偏見と戦い、それを圧倒的な演技力と表現力でねじ伏せて役柄の幅を勝ち取ってきた歴史があります。
もう一つの盲点は、日本国籍と二重国籍を巡る法的な実態です。「ハーフタレント国籍一覧」といったネット上のまとめでは、安易に海外国籍であるかのように書かれるケースが目立ちますが、日本の国籍法では20歳(法改正前は22歳)までにいずれかの国籍を選択する義務が規定されています。公に国籍選択のプロセスを語るタレントは限られているものの、多くのタレントが成人時に法的な手続きを経て日本国籍を選択しており、日本国民としての義務を果たしながら国内を拠点に活動しています。