常用薬で脳機能低下?専門家が警告する認知症リスクと薬の盲点

常用薬で脳機能低下?専門家が警告する認知症リスクと薬の盲点

常用薬で脳機能低下?専門家が警告する認知症リスクと薬の盲点に関する気になる情報を徹底的にまとめました。今すぐチェックことができます。

薬が病気だけでなく脳そのものに影響を及ぼすメカニズムは、極めて物理的かつ生化学的だ。人間の脳には、有害物質の侵入を防ぐ「血液脳関門」と呼ばれる強固なフィルターが存在する。しかし、脂溶性が高い薬剤や分子量の小さい低分子化合物は、この防壁をいとも容易に通過してしまう。

臨床薬理学の知見によれば、加齢に伴い肝臓の薬物代謝酵素活性や腎臓の糸球体濾過量は著しく低下する。若い世代であれば数時間で体外へ排泄される成分が、高齢者の体内では何倍もの時間にわたって高濃度で血中に滞留し続ける。その結果、中枢神経系に過剰な薬理作用が及ぶ。

特に神経伝達物質アセチルコリンの働きを阻害する作用は致命的だ。アセチルコリンは記憶、学習、注意力、覚醒状態を司る中枢神経の基幹物質である。これをブロックする薬物を連用すると、脳内ネットワークの同期が乱れ、見当識障害や急性のせん妄、記憶障害といった認知症類似症状が誘発される。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。