発見の舞台となったのは、高知市郊外にある土佐藩郷士の末裔にあたる民家の蔵だ。解体作業の過程で、二重底になった長持(ながもち)の中から、漆塗りの文箱に入った状態で発見された。包み紙には「他言無用」の文字が墨書きされており、代々の当主が固く守り抜いてきた秘密だったことがうかがえる。
歴史研究家たちは一様に興奮を隠せない。書簡が書かれた時期は、土佐勤王党が弾圧され、彼が投獄されてから切腹を命じられるまでの約2年間に重なる。監視の目を盗んでどのようにこれほどの長文を書き残し、外部へ持ち出せたのか。その経路の解明も含め、歴史のミステリーがまた一つ増えたことになる。