1990年代後半の離婚以降、二人の息子を女手一つで育て上げたのは女優の手塚理美だ。彼女の子育て論は極めて明快であり、同時に深い愛に満ちていた。
父と離れて暮らすことになっても、手塚は息子たちに対して父・真田広之の悪口を絶対に口にしなかった。それどころか、「あなたたちの父親は世界で戦う素晴らしい表現者だ」と教え続けたという。この母の温かい配慮があったからこそ、長男の奨之氏も父に対する深い尊敬の念を歪めることなく持ち続けることができた。家庭内での穏やかな時間が、多感な時期の彼らを力強く支えたことは間違いない。