審査が厳格である一方で、現場やマーケットからは冷めた視線が注がれることも珍しくありません。SNSや掲示板、ビジネスパーソンが集まるコミュニティにおけるグッドデザイン賞評判とネットの反応を検証すると、賞賛の声と同じくらい痛烈な批判や失望のコメントが散見されます。
なかでも根強いのが、グッドデザイン賞意味ないと言われる理由として挙げられる「消費者の購買決定打になっていない」という現実です。ある生活雑貨メーカーの元開発担当者は、取材に対して次のような苦悩を吐露しました。
「経営陣を説得して数十万円の予算を確保し、見事にグッドデザイン賞を受賞した。しかし、店頭パッケージにGマークを付けても、劇的にPOSデータ(売上)が跳ね上がることはなかった。結局、翌年からは高額なマーク使用許諾料の更新を見送らざるを得なかった」(元メーカー商品企画担当者)
かつて情報が少なかった昭和や平成の時代には、赤いGマークは消費者にとって信頼の「品質保証マーク」として強烈な購買動機になっていました。しかし情報が氾濫する現在、消費者はSNSの口コミ、インフルエンサーのレビュー、ECサイトの星評価などをリアルタイムで比較検討して購入を決めます。「デザイン賞を受賞しているから買う」というシンプルな消費行動は急速に減衰しており、それが「高い費用をかけても売上への費用対効果が合わない=意味がない」という批判に直結しています。
さらに、毎年の受賞件数が1,000件を超えていることも、希少価値を薄れさせる一因となっています。「街を見渡せばあらゆる商品にGマークが付いており、もはや特別感が失われている」というネット上の指摘は、ブランディングの観点からも無視できない課題です。