空耳アワーの撮影現場は、一般的なドラマやバラエティの収録とは一線を画す独特の緊張感とスピード感に包まれていました。常連俳優として16年以上にわたり出演したお笑いコンビ・ダンサブルの有田久徳氏らがメディアの取材で明かした証言によると、初参加の現場では「とりあえず全裸で待機して」と指示されるなど、常識破りの洗礼が日常茶飯事だったといいます。
女優陣にとっても例外ではなく、台本を渡されてから撮影終了までのスピードは極めて迅速でした。わずか15秒程度の映像を撮影するために早朝のロケ現場へ集まり、監督からの「もっと真剣に驚いて」「洋楽ロックの切なさを下ネタに乗せて」といった抽象的かつ高度な演技指導に応えていたのです。
気になる出演料(ギャラ)について、当時の関係者の証言や業界水準を照らし合わせると、決して高額なものではありませんでした。深夜番組のミニコーナーという予算枠であり、1本あたりのギャラは数千円から数万円程度。それでも出演希望者が後を絶たなかったのは、タモリ倶楽部という一流の看板と、ソラミミスト(タモリ・安斎肇)にスタジオでいじってもらえる名誉があったからに他なりません。