なぜ絵の具の肌色が濁る?1色足すだけで劇的に変わる肌色の作り方徹底解説

なぜ絵の具の肌色が濁る?1色足すだけで劇的に変わる肌色の作り方徹底解説

なぜ絵の具の肌色が濁る?1色足すだけで劇的に変わる肌色の作り方徹底解説に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

画材店に行けば、美しく調色された「うすだいだい」や「フレッシュ(ペールオレンジ)」のチューブが安価で手に入ります。それにもかかわらず、なぜプロの現場ではこれらの単色チューブをそのまま肌に塗ることが忌避されるのでしょうか。ここには、ネット上のまとめ記事や初心者向け講座では見落とされがちな決定的な盲点が存在します。 最大の理由は、市販のチューブ絵の具が「複数の異なる顔料をあらかじめ混ぜ合わせて作られた複合顔料」だからです。絵の具の裏面に記載されている顔料コード(Color Index Name)を確認すると、一般的なうすだいだいには「PW6(チタン白)」「PY42(合成酸化鉄黄)」「PR108(カドミウム赤)」などが最初から混練されています。 すでに3〜4種類の顔料が混ざり合っている状態の絵の具に、陰影をつけようと別の色(例えば青や茶色)を足せば、パレットの上で瞬く間に5〜6種類以上の顔料が衝突することになります。顔料の数が増えれば増えるほど、光の乱反射は阻害され、色は指数関数的に濁っていきます。これが「市販の肌色を使うとなぜか画面がくすんで汚くなる」現象の科学的な真相です。 プロのアーティストが単色チューブを嫌い、あえて単一顔料の赤・黄・青から都度混色を行うのは、顔料の構成数を最小限に抑えることで、光の散乱をコントロールし、濁りのない圧倒的な彩度勾配を維持するためです。既製品の便利さに頼ること自体が、実は表現の透明感を奪う最大の罠となっています。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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