旅行者が最も陥りやすい罠が、新尾道駅と尾道駅の違いを十分に把握せず、切符を手配してしまうケースです。駅名に「新」が付いているため、新大阪駅や新神戸駅のように「市街地に直結しているか、あるいは地下鉄等ですぐに移動できる」と誤認しがちですが、両者の立地環境は根本から異なります。
JR山陽本線の尾道駅は、尾道水道が目の前に広がる旧市街地の中心に位置しています。映画のロケ地として名高い坂道や千光寺山ロープウェイ、情緒あるレトロな商店街、名物の尾道ラーメン店、さらには瀬戸内海の各島へと渡る渡船乗り場に至るまで、主要な観光名所のほとんどが徒歩圏内に集約されています。
対する新尾道駅は、尾道市街地から北へ約3.5km内陸に入った山あいの栗原地区にあり、周囲は静かな住宅街とバイパス道路に囲まれています。駅構内には新幹線のホームと改札口、小規模なお土産店や待合スペースがあるのみで、在来線の線路は一切乗り入れていません。徒歩で尾道駅方面へ向かう場合、起伏のある道を40分以上歩くことになり、大きな荷物を抱えた旅行者には非現実的な選択肢となります。
そのため、新尾道駅から市街地へ向かうには公共交通機関への乗り継ぎが必須となります。新尾道駅バスアクセスとしては、おのみちバスや中国バスが運行されており、新尾道駅から尾道駅前までは所要時間約15分、運賃200円前後で移動可能です。ただし、日中のバス運行本数は1時間に2本から3本程度であり、新幹線の到着時間と必ずしもスムーズに接続しているとは限りません。急ぎの場合はタクシー利用となりますが、片道約1,500円〜2,000円程度の出費を見込む必要があります。