甲子園の注目選手をめぐっては、ネットやファンの間でいくつかの根強い誤解が存在する。その代表例が「甲子園で大活躍した選手=ドラフト1位指名」という直結論だ。
過去のドラフト会議を振り返っても明らかなように、甲子園で優勝投手に輝いた選手が必ずしもドラフト上位で指名されるわけではない。むしろ、チーム事情で球数を投げすぎたことによる肩肘の疲労蓄積を懸念され、プロ側が指名を躊躇するケースさえある。逆に、地方大会の早い段階で敗退した無名の原石が、スカウトのプライベート視察でそのフィジカルポテンシャルを高く評価され、上位指名を受ける例は珍しくない。
また、センバツ 注目選手として春先に騒がれた選手が夏までにフォームを崩してしまうケースや、逆に春の悔しさをバネに急成長を遂げる選手など、高校生の成長曲線は極めて非線形である。数字の表面だけを追うのではなく、夏までの半年間でどのような課題に取り組み、どうスケールアップしたかというプロセスを見極めることが肝要だ。