完全版商法に対しては「メーカーの手抜き」「最初から作っておけ」という感情論がぶつけられがちですが、ゲーム開発の現場視点ではいくつかの誤解が存在します。
第一の盲点は、「後から追加された要素の多くは、無印版発売後のプレイヤーデータとフィードバックを受けて設計されている」という事実です。テンポ改善や不満点の解消、人気キャラクターの深掘りなどは、数万人規模のプレイヤーが実際に遊んだフィードバックがあって初めて具現化できるケースが多々あります。
第二の盲点は、「DLCとして切り売りできないほどプログラムの根幹構造を書き換えている場合がある」という技術的制約です。マップ構造の変更やイベントフラグの抜本的再設計を行った結果、初期版プログラムへの「パッチ適用」ではセーブデータの整合性が取れず、スタンドアローン(独立した別ソフト)としてビルドせざるを得ない開発事情も存在します。ただし、技術的制約があるにせよ、既存購入者へのディスカウント施策(所有者限定割引など)を用意しない姿勢が反発を生む主因であることには変わりありません。